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パリ




Report by Mayuhirara (June,2006)


その年の夏に、2泊3日のパリ1人旅行を計画していた。

パリは何と10年ぶりで、前に行ったときはユーロスターが開通してなかった から、もちろん飛行機だった。

フラットメイトが日系の旅行会社に勤めていたので、高いのは分かってたけど、 ユーロスターの手配を頼んだ。

往復手数料込みで89ポンド。あぁ、やっぱり高かった。。。 自分でチケット手配するべきだったとすごく後悔。

ホテルは自分でネットで調べて申し込んだ。 何処でも歩いていけるよう、パリのど真ん中、レ・アールのあたり。

2泊で95ユーロぐらいしたけど、交通費がかさむことを考えたらとそこの ホテルで妥協。

着いてから分かったのだけど、ちょっと問題のあるホテルだった。

この年のヨーロッパは猛暑で、パリでも気温38度を越す日々が続いていた。
この暑さで倒れる人や死者もでていると聞いていて、「パリ行き大丈夫?」 と心配されていた。

私の行った8月中旬はその猛暑も終わり、暑いけれど、少し秋の気配が 感じられるようになっていた。

ロンドン以外の一人旅は初めてだったので、心配とワクワクとが入り混じって 不思議な高揚感があった。


パリ滞在1日目

ウォータールー駅を9時過ぎに出発し、お昼ごろパリ到着予定。
ガイドブックを読んで行きたい所を確認。

10年前はツアーだったため、自分の行きたい所に行けず、 不満だらけな旅に終わってしまった。

(バスで凱旋門やエッフェル塔などを見てまわり、あとはショッピングだった。)

今回は小さめの美術館を中心にまわることにした。
ピカソ美術館、ロダン美術館、装飾美術館とモード美術館。
後はサクレクール寺院 、Abbesses駅のガラスの屋根の入り口。

ちょっとウトウトしていたら、パリまでもうちょっと。
到着間際にキャンディが配られる。赤と白の渦巻きキャンディ。 「何故?」と思いつつ、口の中に放り込む。

パリに到着し、すんなり入国手続きを済ませる。 パリはカラッとしてるもののかなり日差しは強い。

駅でツナのバゲットサンド(約500円)を食べ、 普通に売ってるものが普通にというか、かなり美味しいことに感動。
(ロンドンから来ると何処に行ってもそう思うらしい) お腹も満足したところで、早速地下鉄に乗り込んだ。


パリ北駅から地下鉄に乗り、レ・アールへ。
地下鉄の駅からホテルまでは約5分ほど。

たどり着いたホテルは入り口を見逃してしまうほど小さなホテルだった。
入ってビックリしたのはロビーが改装工事中だった。

とりあえず平静を装って、チェックインの手続きとパリ市内の地図をもらう。

受付のお兄さんは「ポンピドゥーセンターはココ、ココには日本食のレストラン
があるよ」など丁寧に教えてくれた。(結局行かなかったのだけれど)

部屋は3階だったので狭い狭い階段を上り、自分の部屋へ。
(壁紙が黄ばんで剥がれ落ちてたりして気分が滅入った)

部屋はキレイに掃除はされてるものの、テレビは壊れていて、
室内は暑く、バスルームの石鹸はカビていた。

窓は部屋同士が面しているらしく、会話が筒抜け。

しかも上の階には地方から来たらしいラブラブなカップル。。。
最悪だ。
唯一気に入ったのは空っぽの冷蔵庫。(笑)
滞在中はジュースやヨーグルト、果物を冷やしておけたから。

荷物の片づけをそこそこにして、気分転換に街へと繰り出した

パリに着いた当日早速行こうと思っていたのはピカソ美術館だった。
地図を片手に、グレーがかった建物や通りをカメラに収めつつ美術館へ向かう。

ピカソ美術館に着いたら、「休館日」の看板。。。
そう、そう、事前に調べて火曜日は休みだということを知ってたじゃないの!

と、すっかりそのことを忘れていた自分にガックリした。(ボケがひどいよ)

しょうがないので、セーヌ川まで出て、川沿いにオルセー美術館方向に歩く。
ひとつひとつ表情の違うセーヌに架かる橋の写真を撮り、 そしてお土産やさんで5枚で1ユーロのポストカードを買った。 (石鹸やジュースの古い宣伝ポスターの絵柄)

3時間ほどは歩いただろうか。
足がくたびれてしまい、モノプリ(スーパーマーケット)で夕食の調達。
スーパーは大好きなのでついつい長居してしまう。

ロンドンと同じ商品でも値段がこんなに違うとか、
違う種類のお菓子が発見できると嬉しくなってしまうからだ。

ホテルに戻り、簡単にご飯を済ませベッドに横になってみる。
全くこの小さくて古い部屋は、私を屋根裏部屋に住む小間使いの ような気分にさせてくれる。

パリ滞在2日目

朝食を摂りに2階にある小さな食堂へ。
シリアル、ヨーグルト、バゲット、クロワッサン。。。ごく普通。
食堂のオバちゃんはラジオを聴いている。

さっさと朝食を済ませ、街へ出かけた。
今日の予定は、装飾美術館とモード美術館、シャイヨ宮からエッフェル塔、 公園を通ってロダン美術館まで。

ホテルを出てセーヌ川沿いを歩き、右手にルーブル美術館が見えてきた。
実はルーブルには入ったことがない。
混んでるのは分かってるし、短期間ではじっくり観て周れないことも知って いる。

遠巻きにガラスのピラミッドをカメラに収め、ルーブルに付属するようにある 装飾、モード美術館へ。

今時のドレスや靴、帽子等がオブジェみたいに展示されていた。現代的すぎて 期待してた割にはイマイチ。
(エキシビジョンだった戦後の商品宣伝ポスター類は面白かった)

ヴィクトリア&アルバート美術館の、ファッション&ジュエリーコレクションの方がかなり魅力的だ。

ミュージアムショップも覗いたけど、気に入ったものは見つからず。。。 う〜む。

ガッカリしながら、またセーヌ川まで出て、シャイヨ宮を目指す。
右手にチュルリー公園、オランジュリー美術館、コンコルド広場。。。 アレクサンドル3世橋の像(?)が金ピカになっていた。
私が前回(10年前)訪れたときは薄汚れた青銅色だった。 (それは味わいがあった)

全くといっていいほど交通機関を使わない今回の旅はパリの街を散歩してる ようだった。

歩いてシャイヨ宮からトロカデロ庭園、イエナ橋を渡り、エッフェル塔へ。
エッフェル塔は近くで見るとガッチリした鉄の塔であまり美しくはない。 遠くから見るとすっきりとしていて美しいのに。

そんな塔の下をくぐり、シャン・ドゥ・マルス公園に出る。 コチラから見るとよくよく絵葉書やテレビで見る光景。
足の下からはクリーム色のシャイヨ宮が覗いている。

アンバリッドの前を通り、道路一本隔てた所にあるロダン美術館へ。
この美術館(ビロン邸)はロダンが1908年から死ぬまでの9年間過ごした場所 だそうだ。

内部は白く、陽光がいっぱい差し込む美しい館。 庭にもロダンの作品がたくさん展示されている。
でも私が魅せられてしまったのは恋人だったカミーユの作品だった。

繊細で完璧なまでに美しいロダンに作品に比べると、 カミーユのは熱がこもった勢い、荒削りで、どちらかと言うと女らしくも 美しくもない。。。 この人の生き方そっくりな作品たち。心が痛くなってしまうような。

夕方には一度ホテルに戻り、ベトナム料理店で夕食をと思い向かっていたら、 通りにはキレイなお兄さんがチラホラ。。。ふむ? もう少し行くとカフェにそりゃもう美しいカップルが集まっていた。

パリもあるのね、ロンドンでいうオールド・コンプトン・ストリートが。。。
夏の夕暮れと微笑ましいカップル。それはステキな光景だった。

パリ滞在3日目

パリ旅行3日目の朝は9時にはチェックアウトを済ませ、 初日に行くことができなかったピカソ美術館へ向かった。

館内は初期の青の時代から有名なキュビズム、伝統的な古典の時代、そして 「ゲルニカ」にたどり着く。

ピカソの絵画を見ていて思うことは、デッサンという基本がしっかりして いなければ、キュビズムも、子供らしい楽しい感性をうかがえるオブジェや 陶器も生まれなかっただろうということだ。
たぶん天才ということはそういうことなのだ。

ピカソ美術館をあとにして、地下鉄でABBESSES駅まで行き、 どうしても見てみたかったアールヌーボー建築のガラスの屋根の写真を撮り、 サクレクール寺院までの信じられないくらい急な坂道をヒィヒィ言いながら 登った。

モンマルトルはパリの庶民的な魅力を持っていて、 小さなカフェや、迷路みたいな路地、建物も薄灰色でちょっと寂れて いたり。。。

夕方にはスープを煮込んだ匂い、家族の会話が聞こえてきそうな。

そしてサクレクール寺院にたどり着くとパリの街が一望できる。
しかもこの日は快晴で、空はただただ青く、寺院は白くそびえ建っていた。

パリの街並みを写真に撮ろうとも収まりきらないことに気付いた。
これは眺めているのに限る。
ちょっとひと休みして、パリ発は午後1時だったので、北駅方面に坂を降りて 行く。

坂を降りて行くほどなんか忙しなくなった。しかもこの界隈はアラブ街らしい。
安っぽい雑貨や、不思議なスパイスの香り、羊肉の生臭さ。
あまりにも空間が違うため、ちょっとドキドキしながら早足で歩いた。

無事にパリ北駅に到着し、出国を済ませユーロスターへ乗り込む。
気持ちよくウトウトしているうちに着いたのは慣れ親しんだロンドンだった。